サイフォン
珈琲通ではないと思うが珈琲は好きだ。
高校時代の友人が珈琲店を藤の牛島で営んでいる。店名は「サイフォン」と言いサイフォンで珈琲を入れる店だ。奴がサイフォンで入れる珈琲を眺めていても、その技は分からないのだが、とにかく美味い。
豆にも拘りがあり、普通の3倍の原価だと言う。
その同じ豆を売っていたので買ってきてコーヒーメーカーで入れたことがある。
「なんだこりゃ」の不味い味になってしまった。
高校時代にサイフォンで珈琲を作っていたが、今から思えば豆のせいではなく入れ方にあるような気がする。
珈琲はサイフォンかネルドリップか好みが別れるようだが、美味しければ何でも良いと思う。
器具にどんなに拘ってみても、豆に拘ってみても美味しい珈琲が作れる保証は無いからだ。
京都の小川珈琲が出しているドリップパックで不思議な形をしているペーパードリップがある。
以前は有機ブレンドもそのタイプだったが、今はカフェインレスのものだけしか、その不思議な形のペーパーは無いようだ。
これでも、蒸らし方と湯の注ぎ方で味は格段に変わる。
もちろん、湯の温度もあるだろうが、湯を回しながらゆっくりと注ぐのがポイントの様に感じる。
確率は1/2だが、美味く入れられた時は至福の時間となる。
奴に珈琲の適温は何度が良いかと質問をしたことがあるが、「93度とか95度とか色々なご意見があるようですが・・」と逃げられてしまった。
サイフォンのロート部分を入れるタイミング、そして、その後に1度かき混ぜるタイミング、火から降ろすタイミング、それを見ていると体が覚えているのだろう。
毎回、同じに美味しい珈琲を入れる職人技はコンビニ珈琲やファミレス珈琲とか全く違うものだ。
美味しい珈琲を飲みたくなったら、少し遠くであっても行く価値はあると思う。