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よもやま話

墓終い

母方の叔母が2人いる。
上は既に特別養護老人ホームに入っているが、下の叔母も近々に特別養護老人ホームに入所する予定となった。

二人とも生涯独身であった為に現存する親類は近くには居ない。

特別養護老人ホームに入所するに当たって叔母の所有する墓を墓終いすることにした。

しかし、墓に刻まれた6名分の内、墓地の管理事務所には3体分しか届が出て居らず、残り3体のお骨が本当に入って居るのかが問題となった。
その為に墓石屋さんに依頼して墓を開けて貰った。

開けてビックリ玉手箱・・なんと骨壺は4個で全てが分骨で有った。

私も今回、色々調べて分かったことだが、人骨は勝手に埋葬(埋蔵)することは出来ないのだ。
火葬許可が出てから焼き場で埋蔵許可書なるものが出て、始めてお墓に入れることが出来るのだ。

同時に分骨する場合は火葬場で分骨証明が出るが、一度埋蔵した骨は管理する墓園や寺が分骨証明をだすものだそうだ。

墓を開けて分かったのは、1つの小さな骨壺に3名の名が書いてあった。これが届出無しの遺骨だった。

墓終いとは墓石を無くして合同墓に改葬するしかない。
人骨は勝手に処分することが出来ず、散骨するにも一部だけしか出来ない。

その点を知らない方は「死んだら骨は海にでも撒いてくれ」と云うが、撒けるのはごく一部だけなのだ。
残りは合祀するなり、墓に入れなくてはならない。
その際に砕かれようが構わないのだが、誰の骨が何処に行ったのかを役所に届けなくてはならないのだ。

生きている時は住民届をするのだが、骨になっても届は必要だとは知らなかった。

勝手に墓に入れると「死体遺棄」と同じ扱いになってしまうそうだ。
たしかに、殺人を犯し、何処かに埋めるなり焼くなりして骨になったものを骨壺に入れて、他の名前で墓に埋蔵してしまえば証拠が残らなくなる。
それを防ぐ意味合いで、骨の住所が必要となるようだ。

幸いにも、母方の戸籍謄本が取れ、亡くなった方の氏名と没年月日と骨壺に書いてあった名が一致し古い遺骨だと分かったので書類は出来るそうだ。

問題は我が家の墓だ。
親爺が勝手に分骨して墓に入れてしまった可能性が高い。
遠方で戸籍筆頭者の氏名も住所も知らないので、戸籍を取り寄せることも出来ない。
墓を開ける機会に余計な物が入って居ないことを願うしか無い。

因みに墓終いの費用は墓石の撤去処分代と骨壺1個X永代供養料に寺社の法要代と運搬手数料等が掛かる。
永代供養料は施設で異なるが、近隣のところを調べたら安くて5万円、高いところで20万円する。
墓に10体入っていれば、永代供養料だけでも50万円から200万円、それに立派な墓であれば撤去処分費用も高くなる。

墓は長男が引き継ぐのが慣わしとなっているが、私のところは娘一人、弟のところも娘だけだから、習わし上では引き継ぐ者が居ない。
子供に負の遺産を残さない為にも、時期を見て墓終いするのが良さそうだ。

家内とも相談して戒名は無し、葬儀は家族葬とし、四十九日経ったら合祀して貰うこととした。
墓が有ることや遺骨がある事は重要では無い。
「亡くなった方を思い出してあげるのが一番の供養だ」と法事の際に住職が話していたことを思い出す。

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