消費税を考える
今年の1月1日から施行された「電子帳簿保存法」と来年10月から実施の「インボイス制度」の対応に追われていた。
インボイス制度で厄介なことは、2023年の3月までに税務署に適格事業者登録だが、これは税理士事務所で代行してくれる。
しかし、落とし穴はレジであった。
インボイスでは消費税の丸め処理(端数を切り捨てるとか四捨五入する)は各税率で1回だけと規定されているのだ。
全てが外税か内税なら問題ないが、同率税率で外税と内税が混在した時に丸め処理が2回になってしまうのだ。
えっ、何の事?と思われるかもしれないので、具体例を示すと
950円税込(税率8%)の商品では950÷1.08=879.629円が本体価格であるから、四捨五入して880円とする。
ここで、丸め処理を1回行っているが、次に880円(税別:消費税8%)をお買上の場合は880X1.08=950.4
四捨五入して950円とする、ここで2回目の丸め処理を行っているので「アウト!」
同じ税率でも税抜金額で端数が出ない場合もあるし、内税でも端数処理が無用な金額も当然ある。
レジソフト会社のSEさんの話では、「これに対応すべくソフトを開発中」と云うが・・・
方法としては、各税率(10%と8%)の消費税をプールするホルダーを作って、そこで一括丸め処理をすれば
出来ることなのだが、システム全体のフローが分からない。
因みに、開発が出来ていないのに見積だけは来た(笑)
なんと355,000円。
ほぼ、詐欺に近い感じだが、ソフトベンダーでは当然の金額なのだろう。
40年前に「1つ処理を増やすのに30万円」と言われたぐらいだから、物価を考えるとむしろ安いのかも(笑)
でも、よくよく考えてみると、消費税の丸め処理が切り捨てでも、四捨五入でも良いと云っておきながら、
インボイスの時には丸めは1回だけと云うのは可笑しな話だ。
実施される2023年10月までには、おそらく緩和されるだろう。
もし、緩和されなければ、全部を外税か内税にすれば問題は無くなる。
更によくよく考えてみると、当店のお客様で当店での消費税控除をされる方は多くはなく、しかも同一の物を
複数個買われるだけだから、問題自体が生じないのだ。
インボイスの導入目的は免税事業社が納めていない消費税の徴収が目的だそうだ。
その額は年間5,000億円と財務省は見積もっている。
5,000億円と聞くと大きな金額に感じるが、無駄な補助金でも削減すれば帳尻は合うはずだ。
インボイスが導入されると、収入が減る人や廃業に追い込まれる人も多数いるようだ。
そこまでして、税金を取りたいなんて、昔の悪代官と同じだな。
第一、「消費税」という言葉が悪い。
「消費」する=「買う」と税金が掛かる・・と云うイメージだが、海外では「付加価値税」と言っている。
「付加価値」が有るか無いかと「消費」ではイメージがガラッと変わる。
英国では食品の付加価値税はゼロ。
食品は生きる為に必要なものだから「付加価値」ではなく「絶対に必要な物」だからだろう。
日本の消費税の一番の稼ぎ頭は「食品」なのだ。
本来、インボイスは複数の税率を調整する為の物のはずなのだから、食品や医薬品の消費税はゼロか僅かにすべきだ。
その代わりに、贅沢品に高税を掛ける、とかすべきものだと思う。
電気代やガス代の値上がりで政府が補助をするよりも、食品の消費税を下げるだけで、その分は補填されるだろう。
医薬品を非課税にすれば、損税は発生しないから、診療報酬で調整する必要もない。
惹いては、診療時の自己負担も減るのだ。
財務省は消費税を下げると税収が減ると考えていると思うが、期間限定で10%を5%に下げて見たら面白い。
その間にエアコンやテレビやスマホ、家具の買い替え需要が高まり、旅行割りなんてしなくても旅行は増えるだろう。
安くしたら儲からないと考えたら、ディスカウントストアーや100円ショップは成り立たないことになる。
安くすれば、多く買って貰えるから商売は成り立つのだ。
商売は利益率ではなく利益額が重要なのだ。
財務大臣は国会議員から選ぶのではなく、京セラの稲森さんの様な商売人がなったら良い。
きっと、税収は上がり、国民は喜ぶと思うのだが・・・