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よもやま話

23価肺炎球菌ワクチン

市役所から肺炎ワクチンの申し込み書が届いた。誕生日前だが高齢者の仲間入りに扱われて少しショックだ。
2023年までは補助金で安くなるが、4年後のその年には69歳だから対象外になる。

多くの人は、今の自分がずっと続くような気持ちがあるから「こんなに元気だから肺炎なんて平気」と考えるのだろうか?

末期癌で余命宣告された方が「こんなに元気なのに、あと半年で死ぬなんて変じゃない」と憤るのも同じで、現実逃避ではなく人は悪い将来を想像したく無い生き物だと思うのだ。

ワクチンの効果は5年程度だから5年後を想像しなくてはならない。
若い時の5年後と違って60を越えてからの5年後は想像したく無いほどの悪夢だ。
脳梗塞で車椅子状態? 膝が痛くて歩行器のお世話(膝は自分で整体できるからこれは無いだろう)? とにかく今より若くなることは無いだけに良い想像はしようも出来ない。

ところで23価の肺炎球菌ワクチンの予防効果はどのくらいなのだろうか?
肺炎球菌の種類は90以上有り、その中でも多い23種類をターゲットにしているのだから気になる。調べてみると効果が有る23種類に対して33.5%肺炎になるのを予防できるようだ。肺炎球菌全体で27.5%の予防効果。

ワクチン接種しても3人に2人は効果無しか!
しかし、3人に一人は肺炎にならない。
医学的な観点ではこれは凄い数字なのだが、庶民的な観点では「その程度?」だろう。

実は肺炎球菌よりも誤嚥性肺炎の方がはるかに心配なのだ。近年食べながら話しをするとむせてしまうようになった。間違って気道に入るとむせて咳き込むのだが、それすら起きなくなると誤嚥性肺炎になる。
肺炎球菌よりも質が悪い。高齢者の死亡原因が肺炎であれば、多くは誤嚥の方ではないかと思っている。
これにはワクチンが無い。口腔ケアだけが唯一の予防法。

悩んでみたが、医学的な魅力的な数字だし、元気な今のうちに接種しておいた方が良さそうだ。

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