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免疫専門のクスリ屋


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最上の命医

2011年テレビ東京で放映された医療ドラマなのだが、タイトルがあまりにも”くさい”ので気にも止めなかったが、アマゾンビデオで高評価だったので観てみた。

元々はマンガが原作だとのことだが、医療ドラマの中では群を抜く医療監修が素晴らしくてシーズン1を全て見つくしてしまった。
調べてみると、マンガ自体に東大の医師が自ら医療監修を申し出たとのことと、ドラマの医療監修も小児外科など4名の医師が関わっているので医療的にはしっかりした内容になっていた。

タイトルが”くさい”と云っても原作マンガのタイトルだから仕方ないのだが・・・主人公の「西條 命(みこと)」に掛けて「最上」なのか。

今や絶滅危惧種の小児外科や小児科、その理由は「小さいのだから保険点数も少なくて良い」と厚労省のご判断が一番の原因。

自ら症状を云えない小児相手だから苦労も多いのに「小さいから点数は少なく」は旅客運賃や入場料と同じ考えとは恐れ入る。

しかも、多くの市町村で小児医療の無償化を実施している為に経過観察しても良い症状でもなんでも小児科に患者が来るために小児科医は忙殺されていて、なり手が少ないという状況を作ってしまった。
小児を抱える家庭の多くは若いために収入が少なかったり、シングルマザーの多くも収入が少ない、だから小児医療は無償化には反対しない。
しかし、小児医療の点数を大人より割り増しにしないと小児科自体の存亡が危ぶまれるが、点数が増えれば市町村の負担も多くなり無償化が危ぶまれると云う相反関係が存続する。

この点はイギリスに習って初診は医療センターに連絡してから受診許可を取るようにすれば良いのだが・・・
因みにイギリスではインフルエンザと電話相談で判断されると、受診許可が出ずに抗インフルエンザ薬が宅配されるそうだ。
感染の蔓延を防ぐには外出させずに抗インフルエンザ薬で自宅で治すという合理的な判断だと思う。

さて、話は逸れたがドラマの視聴率は初回が5%台でその後は3%台と低迷していたようだ。2016年、2017年にはスペシャルで単回放送されたが、やはり一桁台と振るわなかった。
ここでも小児医療への関心が薄いのか、それともタイトルの問題なのかは不明のままだが、個人的にはお薦めするドラマだと思う。

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