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免疫専門のクスリ屋


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よもやま話

登録販売者研修

NPOロゴNPO診・薬医療ネットワークの学術担当として2年間に渡り、登録販売者のための資質向上研修の資料作成と講義をしていた。
ひょんな事から登録販売者の試験を受験したい人から質問を受けていたのでビデオがDVDに焼き込み出来たら送ってあげると安請け合いをした。
6時間のビデオ撮影はファイルの容量が多くて簡単にDVDには入らないので少し苦労したがどうにか1枚のDVDに入れることが出来た。

確認でDVDを見ていたらテーマは「消化器」
そうだった、2014年度のA講座の研修は口から肛門までの話をしたのだった。
先ずは「消化」とは何か・・そんなどうでも良い定義から始めている。
やっぱ自分らしいとほくそ笑む。
次に「歯の数は何本」と続く。4本の親知らずまで加えて32本。
ところが、人の個人差って凄いと思うのが33本、34本と「過剰歯」を持つ人がいること。
私の場合は2本親知らずを抜いていて、出てきてない親知らずを加えると30本になる。
まあ、そこまでは普通の人と変わらないが、なんと第3大臼歯(一番奥の奥歯)の山が6個あるのだ。
娘が同じ歯科に通っていて院長から「どこかで見たことの有る珍しい6山の大臼歯・・・そうだお父さんと同じだ!」と云われたとか。
娘曰く「親子って珍しいものが似るんだね」と大笑いされたそうだ。

歯の次は口内炎の鑑別やヘルペスウイルスの種類の解説と続く。
アフタ口内炎でビタミンB2が欠乏で起きるは僅か10%程度、疲労でリボフラニンがFMN→FADに変換する酵素が足りなくなっているのが一番の原因。
それから口腔癌・・・・。
ここまでビデオを見ていて思い出した。
このあとは咽頭癌、食道癌、逆流性食道炎、胃潰瘍、胃癌、大腸癌、痔へと続く話だった。
CT画像も出てきたはず・・・。
途中休憩の時に「昨夜は遅くまで飲んじゃって睡眠不足だから絶対に寝てしまうと思ってたのに面白くて引きずり込まれてしまって寝なかった」と受講者から好評の言葉を戴いたのを記憶している。
「6時間寝かさない講義をするのが目標です」と自分でも冒頭に宣言していたが、受講者の表情は興味津々だったので誰も寝ることは無かった。
月例セミナーは2時間だったが、この資料作りに100時間は掛かった。6時間の大作はどれだけ時間が掛かったのか覚えていないが200時間はとうに超えていたと思う。
暇な時間と閉店後に作業して、帰る頃には新聞がポストに入っていることも多かった。
8年間のNPOの活動の中で最後の2年間は赤尾先生が資料を作ってくださったので、その2年間は登録販売者研修に時間を費やせた。
スライド枚数は200枚、それ以外に短い映像も加わり、常に視覚に訴える内容と目から鱗の話題を入れることで厭きさせないように苦心していた。
しかも、登録販売者研修には決められたテーマが有るので、それを意識しながら網羅したドキュメンタリーの脚本を考えるのが一番の苦労だったのを思い出す。

「60歳になったら学術担当理事を降りる」と理事長の大山には何年も前から話していた。
皆、時間が無いと云うが睡眠時間を削って休日も使えば時間なんていくらでも作れるはず。
ただ、体力と気力は歳を重ねると続かない。
肩甲骨の痛みに耐え、重い機材を一人で会場まで運ぶときは涙が出そうだった。
私がやっていた学術担当と会計と雑務をこなせる後任が居ないことは承知だったが、それが我が儘なのだろうか?
後任が出来ないことでNPO診・薬医療ネットワークは2015年4月で解散になってしまった。
そして最後の仕事が解散登記の為の書類作りとなったが全てを終わらせることが出来た。

解散から1年半立った今、やはり体力の衰え、気力の衰えを大いに感じる。
やはり我が儘であったとしても解散して良かったと思えるようになった。
時が経って振り返ると過去を違った目で見られるようになるものだ。
小林正観の書籍に書いてある言葉「あなたの決断は全てが正しい」
その時は間違った決断だと思っていても時が経てば、それは最良な決断だったと思える時が来るという意味だ。

ところで、この研修ビデオだが、癌の話ばっかりだからこれで登録販売者試験の勉強に役立つかは自信が無い。
たぶん、「6時間面白かった」だけが感想だろう(笑)

この研修で行った研修確認試験では前年度の医師国家試験から関連するものを3問出した。1人を除いて全員が満点だったのは嬉しかった。

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