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よもやま話

ノーベル賞予想と違った

大隅氏のノーベル医学・生理学賞受賞は日本人として嬉しく誇りでもある。
だが、少し驚きを隠せない。
今回はてっきりPD-1関連の方が受賞するのだと思っていた。
昨年は坂口志文教授がノミネートされていたと思ったが、直前のトムソン・ロイター引用栄誉賞に3名の日本人研究者が選ばれたのでこの中からノーベル賞が選ばれるものだと思っていたからだ。
まあ、ノーベル賞にSurpriseは付きものだから仕方ない(笑)

大隅良典・東京工業大栄誉教授の研究はオートファジー。
癌の予防や治療にもパーキンソン氏病にも関連する仕組みの解析に期待されているが、因子が多くてこれから創薬までの道筋は長いことだろう。

今回Treg細胞やPD-1抗体の研究に賞が与えられないのはオプジーボの肺非小細胞肺癌の第III相試験での成果が出せなかった関連するかと邪推してしまう。
第II相試験でも肺扁平上皮癌で奏効率25.7%、非扁平上皮癌(腺癌)では19.7%とけっして高い数字では無かった。

そもそも、Tregの阻害を解いても免疫の働きを強化するわけでは無いから奏効率が高くならないのも頷ける。
免疫が強い人と弱い人では差があって当然だろう。
例えて云えば、ローマ時代の奴隷に付けられた鉄球付きの鎖をほどいても早く走れる人とそうで無い人が居るように、阻害因子を取り除いたら同じように走れると云うことは無いはずだ。
インフルエンザ罹患者に抗ウイルス薬を投与して、直ぐに治る人と時間が掛かる人がいるが、これも免疫力の差だろう。

多くの人は「病気は薬で治る」と信じているだろ。
だが、実際は薬は手助けにしかならない。
本来の自分の免疫力が治す本当の力だ。

しかし、免疫力の上限も個人差があるはずだ。
年齢はあまり関係ないと思うが、一番は免疫を働かなくする環境因子だろう。
とにかく体を冷やす衣服や環境や食生活は排除すべきだと思う。

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