外国人のお客様
最近はお見えにならないが中国人のお客様。爆買いが終わった頃からあまり見なくなった。
都心と違い埼玉東部では爆買いもさほど無かったが、大量のメリーズを車に積み込んでいるところを目撃したりしたが、それも全く見なくなった。
永住しているわけでは無いようで、外国人のお客様は入れ替わりが激しい。
10年ほど前にはナイジェリアやサウジアラビアのお客様もおられた。
その中で印象的だったのがフェスティさんだった。
「フェスティなんだか力が出ない」とやってこられた時があった。
流暢とは言えないが大凡のことは日本語で話せる方だったので助かった。
薬局・薬店では問診と望診が大事だが、ナイジェリアの方は顔色が分からない。
問診も十分には叶わず、仕方ないのでパラマテックの血流計で測定したところ貧血が疑われた。
成人男性で貧血を疑うときには下血、吐血、喀血を問診で聞くが、それも特に問題なし。
そうなると、胃や十二指腸、大腸からの出血を疑う。
痛みは無く潰瘍の可能性も低い・・・そうなると胃から下の場所での癌の可能性も否定できない。
フェスティさんにはcancerの可能性も有るから、検査ができる病院に行った方が良いと薦めた。
フェスティさんのお仲間のナイジエリアの方も来店されるが、なぜだか皆が「フェスティ」だと名乗る。
フェッティがいっぱい居るには驚いた。
想像だが、皆がフェスティさんの事を知っているので「フェスティの友人」と云う意味で名乗ったのかもしれない。
本物のフェスティさんを暫く見ないなと思っていると、突如現れた。
だいぶ痩せたなと思って話を切り出すと都内の某病院で14時間に渡る手術をしたと云う。
内容からPD手術(膵頭十二指腸切除術)で原発は十二指腸乳頭部腫瘍だった。
「フェスティいくら食べても太れない」と言われるが、胃の2/3も取るのが膵頭十二指腸切除術だから当然なのだが・・・
私が説明しても無駄だと思い、また術後の状態を見て貰うために赤尾先生が週一回外来を勤めるせんげん台の病院に連れて行った。
赤尾先生は「この手術をしてこんなに元気の人は珍しい・・」と詳しく説明してくれフェスティも納得したようだ。
「それにしてもトップドラッグは交際的なんだな~」と笑われた。
サウジアラビアから来た30前後の男性は更に日本語が達者だった。
彼の質問で一番困ったのは「日本人はなぜ下の毛を剃らないのか」だった。
イスラムの諸国では男性も女性も陰毛は剃るのが普通だと云う。
宗教が違うので日本人にはそのような教えも習慣も無いと説明したが、彼は「男は剃らないと精力が弱くなる」と云う。
毎日のように風呂に入る習慣がある日本人と水資源が少ない国の違いで、衛生面から剃毛をするのだと思っていたが、コレに関してはエビデンスが無いので回答に困った。
宗教上で剃毛するのだから、皆が下の毛を生やしていないわけだ、それで毛があるときの無い時の差があるという根拠が分からない(笑)
世界で一番信者が多いのがイスラム教だ、また欧米女性の半数が剃毛しているというからには世界全体で見れば下の毛を処理していないのは珍しいのかもしれない。
宗教や習慣の違いはなかなか理解しがたいことだと思う。
でも、日本人に比べ、身振り手振りと顔の表情とで何でもストレートに聞いてくるのは交感が持てる。
彼らにとっては表情を現さず、言葉にも出さない日本人は不気味に思えるのかもしれない(笑)