糖尿病(その1)
糖尿病には限らないが、誤解を招く病名は多いかもしれない。
尿に糖が出るから糖尿病の場合も有るが、腎性尿糖の様に糖尿病で無くとも尿に糖が混じる体質もあるのだから、尿に糖が出ても全てが糖尿病だとは云えない。
むしろ、尿に糖が出ない糖尿病の方が遙かに多い。
因みに血糖値が200以下では尿に糖が混ざることは少ない。
健診や人間ドックでは前夜10時から食事を抜くので、空腹時血糖は低いことが多いが、HbA1cが基準値を超えていたら糖尿病と診断される。
逆に空腹時血糖が高く、HbA1cが正常であっても糖尿病予備群、随時血糖(食後血糖)が128を超えただけでも予備軍とされる。
HbA1cとは赤血球が糖化(糖が付いた赤血球)の割合を示すのだが、ゼロはあり得ない。
赤血球の寿命は120日もあるから、一定の割合で糖化するのが普通だ。
糖が付いた赤血球はほぼ酸素を運べないので、酸素を運ぶのが仕事の赤血球が酸素を運べなければ何の為の存在だろうか?
無駄なものはどんどん排除すべきはずなのだが・・・
それは糖尿病か、どうかを判断する基準として神様が残したのかもしれない(笑)
薬物療法無しでもHbA1cを1ヶ月で1下げることは可能だ。
その為に大事なことが2つある。
1,カロリーの概念を捨てること。
以前は(今でも)糖尿病の食事指導はカロリー中心の指導になっている。
しかし、糖尿病におけるカロリーの概念は既に壊れているから、カロリーは無視して良い。
炭水化物を如何に減らして、蛋白や脂質や繊維、ビタミンやミネラルを摂るかが重要になっている。
糖質が無くても、肝臓で糖は作られるから心配は要らない。
一番ブドウ糖を消耗する脳も脂肪酸でエネルギーを作れる。
むしろブドウ糖が無いと困るのは肝臓くらいだ。
醸造酒(ウイスキー、焼酎など)も飲んで構わないが、発酵酒(日本酒やビール、ワインなど)は駄目だ。
果物も果糖が多いから少なくする。
逆にマヨネーズやドレッシングの脂質は脂肪酸として必要だから摂った方が良い。
脂身の肉も魚もOK
2,運動は日に20分のウオーキングで十分なこと。
日に20分、少し早足で毎日歩くこと。
駆け出すのではなく、少しだけ早足がポイント。
イメージとしては電車やバスの時間がぎりぎりかなと思って、少し早めに歩く感じだ。
雨の日は休んで良いが、1週間でマイナス分を取り返すこと。
雨で1日サボったら、翌日と翌々日は30分づつにすればつじつまが合う。
以上の2点で改善できなければ薬を使うのが賢明だろう。
但し、異常高血糖な場合は初めから薬物併用が無難だ。
主治医とよく相談してスケジュールを立てることだろう。