パソコンは苦労するから面白い
1982年、今から34年前に初めてのパソコンを持つことになった。
その当時のPCは8ビットのCPUにメインメモリー64Kバイト、記憶装置はカセットテープ、OSはBASICだった。
当時は企業で使うコンピューターの記憶媒体はオープンリールのテープが主体であり、その為にコンピューター室を設けないとならないぐらいにかさばる代物だった。
それがカセットテープで出来るなんて凄い事であった。
そのカセットには「ピーヒャラ、ピーヒャラ」の音が録音されていて、それをPCに取り込むと作ったデータが蘇るのだが・・・
「Read Write Error」の文字が画面に出てしまう。
「読み書き出来ません」って読んでるだけじゃんと思いつつ、何度かトライするとやっと読み込める。
当時もパソコン雑誌なるものがあり、そこにプログラムが掲載されていた。
@ echo offから始まる英語の命令文をモニター代わりのテレビにキーボードで入れていく。
作っていたのは「ネッシー」。云わずも知れたネス湖の恐竜だ。
まだ3~4歳だった娘が「ネッシーやって」とせがむので打ち込んだプログラムを読み込む・・
簡単なものは座標軸を入れて円を描かせ、そこに色を入れていくと風船らしく見える。
色々な大きさの円と色を与えると更に風船らしくなる。
今のPCは64ビットのCPUにギガ単位のメモリーを搭載してHDDがテラの容量が当たり前になっているが、当時のパソコンは今から思えばオモチャ以下のものだった。
OSも進化しソフトも充実して出来ることも限りなく増えてきた。
だが、プログラムを組まないと何も出来ない世界からスタートしていて良かったこともある。
それは、機械は単純な動きしか出来ないから指示を的確にすることの重要性を学んだことだ。
例えば「1か2を選択しなさい」と表示された時に「3」が入力されたらどうなるだろうか?
プログラムは「3」と云う選択肢が無いので答えを探して無限ループに陥ってしまうのだ。
その為にプログラム上では「1、2以外だったら元のところに戻りなさい」と記述しておくのだ。
データベースも同じようにスクリプトの初めに強制停止が出来るように記述しておかないと電源を切るまで無限ループしてしまう。
どうして、「1か2を入力しろ」と表示されているのに「3」を入れてしまうのか?
それはヒトだから。
ヒトは間違えるものだと認識した時にマニュアル作りは正確に作れるようになる。
ミスを犯した時に何処に戻れば良いかを考えておくと被害は少なくて済むものだ。
そういう発想の転換はパソコンで苦労するから得られるものだと思うのだが・・・。