久々の外食
2020年9月8日
8月の最後の日曜日に従姉夫婦が墓参に連れて行ってくれた。
と云うのは、私には移動手段が無くなったからだ。
母が亡くなって、病院通いも無くなり、ほぼ自動車の運転をしなくなったら1月に2回もバッテリー上がりをしてしまって近くの方にご迷惑をお掛けしたので、車を売却することにしたのだった。
バッテリーを維持する為に用も無く、ただひたすらに1時間も運転することに疲れたこともあった。
従姉夫婦と墓参の帰りに、コロナ禍で初めての外食をした。
某ファミレスではメニューと一緒に注意書きを渡された。
食事中は話をせずに、終わってからマスクをして談話する・・・等のことが書いて有った。
私は一通り目を通して、従姉夫婦には見せなかった。
何故かと云うと、目の前の夫婦は癌患者で、二人ともBRMstageを飲んでいるし、私も飲んでいるからだ。
エビデンスは無いが、治験データや理論では常用しているとコロナは心配無いはずだ。
「俺、メロンソーダが良いな」と夫が言うと、従姉は「私は患者なのに・・・」と文句を言いながらドリンクバーから持ってきた。
「二人とも癌患者じゃない」と私が云うと、「そうだけど・・・」と返す言葉が無いようだ。
どっちが悪いかと言えば、胆嚢癌再発の夫の方が余命半年の宣告をされていたから悪いようにも思えるが、宣告されてから4年半経つ。
妻(従姉)は乳癌で手術したばかりで、3日前に化学療法を受けたばかりだ。
ホルモンレセプター陰性でHer2が強陽性の極めて顔つきの悪い乳癌だ。
しかも、僧帽弁逆流で心臓病も抱えている。そこにウイークリーのタキソールとハーセプチン療法が始まった。
ハーセプチンは心臓に負担をかける。
さて、どっちの方が悪いのだろうか?
夫の方は肝門部空腸吻合の為に5年前に胆管炎が起きた。それからPTCDで胆管からドレンが出ている。
日に3回も胆汁の漏れでパッド等を取り替えている。
だが、仕事は続けている。
「このドレンを外してくれたら、好きなテニスもできて癌がよくなる気がする」と従姉は言う。
7月のCTでも肝転移の縮小は確認されてる。CTが貰えないので大きさは確認できないが、おそらく1cm強の腫瘤だと思う。
しかし、担当医は「治ることは無い」と言い切る。
再発の胆嚢癌・肝転移が完治することは普通は無いから、医師として妥当な考えだとは思うが、もう少し患者の気持ちも考えて欲しいものだ。
2年前に「オリンピックが見られるまでは生きたい」と言っていたが、東京オリンピックは延期されたが、その時よりも良くなっているのは事実だ。
3割減まで交渉して減らしてもらったGC療法も37クール行っている。
腎臓の負担は少し増えたが、GC療法を6クール越えて行えるのが奇跡に近い。
しかも、副作用も腎負担を除けば何も無い。
2投1休のGC療法は休薬期間を長くしてもらっているが、1投3休ぐらいのが良いと思っている。
休薬期間を2ヶ月貰った時に医師は「悪化するけど・・」と渋々だったが、2ヶ月無治療で腫瘍マーカーは下がっていた。
今、二人には特別処方のBRMstageを飲んで貰っている。
夫の方は抗癌剤投与時のリンパ球数が2000を越える物を、従姉には抗癌剤で髪が抜けなくなる為の物を。
親戚だからもあるが、実績も出ているから二人とも私を信じている。
先ずは、早急に夫の方の肝転移腫瘍を寛解させることだろう。
そこから、5年何事も無ければ「完治」になる。
癌治療には長い月日が必要なのだ。
ただ、目の前の二人を見ていて抗癌剤治療が苦痛では無いことは確かだ。
「私、患者なのよ」「俺だって、患者だよ」と笑いながら暢気に言い合っている二人を見ていて安心した。
余命宣告されようが、極めて顔つきの悪い癌と言われようが、もう気にもしていない。
それで、良いのだと思う。
先週取り忘れた腫瘍マーカーを含めた採血結果がFAXで今日届くだろう。
γ-GTPもALPも下がってきているから、きっと良くなっているはずだ。
<追記>
γ-GT、ALP、LDH、クレアチンも下がっていたが・・・CA19-9がなんと16%上がっていた。
こういう場合、大凡は腫瘍自体が壊れてマーカーを出す場合が多い。
素人は腫瘍マーカーばかりを気にするが、この様なことは屡々あるものだ。
この推理が当たっているかは来月の採血まで分からない。
来月の検査で下がっていれば、推論が正しかったと言えよう。