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癌の情報

卵巣癌(明細胞癌)

卵巣卵巣癌は膵臓癌と並び初期で見つかることが希な癌であり、初期での発見以外には完治不能な横綱級の癌だと思う。
その卵巣癌にも種類がある。特に凶悪なものは明細胞癌と呼ばれるタイプのものだ。
50代の女性Mさんは卵巣癌の手術は都心の大病院でないと不安と思い、手術予約はしていたものの大学病院やがんセンターは患者が殺到する為に手術までの待ち時間が長くなる傾向にある。
これもブランド志向と云うのだろうか。
ところが、手術待ちの間に卵巣が破裂してしまい救急搬送されたのは当然に近くの病院だった。
「ここで手術は嫌だから都心の病院まで行ってたのに・・」としきりにぼやく。
破裂するぐらいに大きくなったいたのだから初期の癌とは思えない。しかも生検結果は最悪な明細胞癌だったので落ち込みは凄い。
「どうせ長くは生きられないんだから」が口癖だった。
卵巣癌は水を溜めた卵巣の中に浸かってる状態が多く、その水分の中にも癌細胞を検出することが多い為に術前に細胞診は出来ない。
針を刺せば袋が破れて腹腔内に癌細胞をまき散らすことになってしまう。
これを腹膜播種と云う。
卵巣の破裂での緊急手術でも腹腔内洗浄はしていると思う。しかし、生理食塩液を入れて回収するだけではどれだけ播種細胞が無くなるかは不明だ。
残念なことに通常の抗癌剤治療では腹膜播種には効果は無いことだ。
「どうせ再発して死んじゃうんだから」と云うのも統計的には正しい判断だと思う。

赤尾先生に相談したところ「駄目元で寛解維持療法をしましょう」と答えが返ってきた。
赤尾先生の寛解維持療法は少なめの抗癌剤を週1ぐらいの頻度で行う。
抗癌剤治療が終わった途端に「これから旅行に行ってきます。どうせ再発して死んじゃうんだから楽しまなくっちゃ!」
BRMstageは2年飲んで貰った。

あれから6年経つが、転居葉書と電話を戴いた。
Mさんは未だに再発も無く元気でおられた。
この方はネガティブなのかポジティブなのか分からないが、今回の電話では「どうせ再発して死んじゃうんだからと思っていたけどぜんぜん再発しない」
「もう5年以上も経過したから再発の心配は要らないと思いますよ。」
ヒトは100%死ぬ生き物
だから今を精一杯生きて楽しむのは良いことだと思う。
でも、待合室の患者さん達がビックリするくらい大きな声で「どうせ再発して死んじゃうんだから」と云っていたMさんはやはりポジティブなんだと思う。
言葉とは裏腹にあの明るさだったら癌も逃げて行くに違いない(笑)

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