若年性乳癌
若年性乳癌の定義は35歳よりも若く発症した乳癌のことを言う。
通常、乳癌はエストロゲンに曝される期間が影響するので40歳台の後半から増えてくるのだが、若年性乳癌は乳癌を起こさせない2つの遺伝子(乳癌抑制遺伝子)に変異があることにより発症する。
母親が若くして乳癌や卵巣癌に罹患している場合に多いと言われるが、私が知り合った3人の若年性乳癌の患者では母親に癌は無かった。
出会った3人とも原発では無く再発であった。
そして、その3人に共通するのは抗癌剤で骨髄に異常が出ていたことだ。
nが3名で、しかも今となっては証明する手立ては無いが、あくまで推測の域を出ない話だが・・・・
もしかすると若年性乳癌の患者さんは他の乳癌の患者さんよりも抗癌剤の副作用が強く出るのではないだろうか。
最初に出会った若年性乳癌の患者さんは28歳で発症した。
手術の後のアジュバント抗癌剤で白血球が上がりにくく完遂するまでの期間は長かったが、それが完遂した時には再発が分かった。
それほど早く再発するのは乳癌抑制遺伝子が欠如しているからだけではなく、抗癌剤のダメージが大きすぎるからかもしれない。
更に3人に共通するのは単球の割合が少ないか、多いか、または変動が多いかだ。
単球は別名マクロファージとも貪食細胞とも呼ばれるが、ここから分化した樹状細胞は免疫の司令塔である。
優秀な監督である樹状細胞が少ないとか起きているのだろうか?
市川海老蔵の妻、小林麻央さんも年齢から若年性乳癌であろう。
手術を拒否したのならともかくステージIIIで抗癌剤によるダウンステージとは妙である。
IV期で手術不能をダウンステージで手術可能にするというなら理解できるのだが・・・
報道によるとあまり芳しい状況ではないようなので、抗癌剤による骨髄抑制が気になる。
乳癌と言っても、人それぞれが違うタイプの乳癌と考えると「エビデンスのある治療」とは何なんだろう。
統計によるエビデンスが当てはまるほど癌は甘くない。
しかし、原発乳癌に少なめの抗癌剤を使う勇気のある医師も少ないだろう。
そんな事をして結果が悪ければ訴えられてしまうからだ。
標準治療とは患者を守る為の治療ではなく、いつしか医師を訴訟から守る治療と定義づけられても可笑しくない時代になったからだろうか。
個別治療が標準となる日はいつかは来るのだろうか?
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