トップドラッグ

免疫専門のクスリ屋


免疫専門のクスリ屋

癌の情報

ゾメタとランマーク

IBRANCEの記事を見て突然に質問の電話が掛かってきた。話の内容から再発の乳癌患者さんだとは分かったが、いきなりの質問には少し驚いた。

乳癌に骨転移は珍しいことではない。
今まで多くの再発乳癌患者さんと接してきて骨転移はよくある事だった。
画像も再発乳癌の骨転移の症例だ。
黒く写っているところが骨転移だから頭蓋から始まって脛までの全身骨転移となる。

骨転移の治療に「ゾメタ」が出たときには「これは凄い!」と臨床データで思ったが、さらに違う骨転移の薬剤が出来ていた。
ゾメタはビスフォスネート製剤だが、別の薬剤は「ランマーク」でRANKL阻害剤と作用する処が違う。

どちらが良いかと言われると困る。
「ゾメタ」にはビスフォス剤特有の多くの副作用が出現する可能性があるが「ランマーク」には「低カルシウム血症」5.8%と「顎骨壊死」1.8%が2大副作用だ。

「ゾメタ」でも顎骨壊死は副作用項目に掲載されているが「頻度不明」となっている。

副作用からみると効果は「ランマーク」の方が高いのだろう。
それもそのはず、直接に破骨細胞を抑えるのはRANKL阻害剤でビスフォス剤は間接的に抑えるものだからだろう。

低カルシウム血症の予防にカルシウム剤とビタミンDを補給すると防げるようだが、日本人の場合は普段の食事でカルシウムは不足している栄養素だから当然かもしれない。
骨転移でも痛みの出る人と出ない人が居るが、進行してくると痛みは出てくることが多い。
痛みが有ると食事が進まなくなり、更にカルシウム欠乏となり、日を浴びることも無くなるからビタミンDが欠乏することも十分に考えられる。
しかし、カルシウムとビタミンDだけでは骨は作られない。
骨への刺激、即ち運動が必要なのだ。

私の母親は「どうしたら骨が丈夫になるか、骨密度が上がるか」と聞いてきたことがある。
「そりゃ摂るもの摂って歩くしか無い」と云うと「面倒だ」
それだったら「ツインビートを使ったら」
「それも面倒だ」と云って骨折してしまった。

さて、ゾメタとランマークはどちらが良いかに対する私の答えは・・

「ゾメタ」から始めて副作用が強かったり、効果が出なくなってから「ランマーク」に切り替えた方が良いと思う。
副作用の項目はたくさん有るが、知り合った再発乳癌骨転移の方では副作用を気にしている方は皆無だった。
たまたま副作用が無かったから続けてこられたのかもしれないが。

「ランマーク」から始めると効かなくなった時に「ゾメタ」への変薬は効果が出ない可能性があるからだ。

「ゾメタ」の国際誕生年は2000年だが「ランマーク」は2010年と10年の差がある。
本邦販売開始が2005年と2012年と7年の差がある。
新しい薬剤は年数が経つに従い副作用項目が増えることが多いから、これからランマークの副作用項目は増えてくるだろう。

「新薬」とはそういうものである。

TOPへ