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癌の情報

抗癌剤は頑張らない!

化学療法すなわち「抗癌剤」は近年に新たな薬剤の開発もあって余命が伸びてきている。
しかし、副作用も酷くなっているように感じる。

一番駄目なことは「抗癌剤だから副作用は仕方ない」と諦めることだ。
女性は我慢強いが男性は直ぐに音をあげる傾向にはあるが、我慢して行うことはけっして良いことでは無いと個人的には思っている。

今まで多くの癌患者さんと接してきたが、乳癌の患者さんで術後の補助療法の為に骨髄機能が悪くなってしまった方を何人も知っている。

彼女達が抗癌剤を我慢しなければ、その後が変わっていたかは分からないが、或る乳癌患者さんの症例を知っている。

腋窩リンパ節転移が24個中20個と超ハイリスクな患者さんだったのだが、術後の補助療法を1回だけ受けてから中断したのだった。
その理由が傑作なのだが「春はガーデニングの時期だから抗癌剤なんかやってられない」

普通であれば「再発リスクが極めて高いから、抗癌剤はしないとダメですよ」と医師は言うはずなのだが、中止をすんなりとOKしてくれたのだ。
「但し、フルツロンを1年間内服する」条件が付いていた。

その彼女から相談を受けたのは術後2年か3年経った頃だったと思う。
「私もBRM飲んだ方が良いですか?」
それに対して、私は「あなたには必要無いと思いますよ。たぶん再発はありませんから」

彼女はホルモン剤も使っていないと云っていた。
即ちトリプルネガティブの若年性乳癌だったのだろう。

トリプルネガティブとは生検でHer2マイナスで女性ホルモン2種がマイナスの合計3種が陰性の事を云う。だからホルモン治療をしてなかったのだった。
乳癌の中では一番厄介なトリプルネガティブは3年間の間に再発が無ければ、無罪放免となる。

フルツロンが効いた極めて珍しい症例なのか、好きなガーデニングが良かったのかは不明だが、何であれ再発せずに20年近く過ぎているのだから、それは結果オーライだ。

別のトリプルネガティブ乳癌の患者さんはBRMstageを飲んでいたにも拘わらず、術後のアジュバントの抗癌剤1回で寝込んでいると報告が有った。
「そんな馬鹿な、標準量の33%減で行ってる抗癌剤でそれほどの副作用が出るとは思えない。ちゃんと飲んでないのでは無いだろうか?」
本人に聞いてみたら「抗癌剤の時は飲んじゃダメなんですよ」
「1回目でそんなにキツイなら2回目は地獄になるかも」と少し脅かしたが、ちゃんと飲んで貰ったら2回目の副作用は感じなかったそうだ。

あれから10年近く経つだろうか?
彼女から毎年果物が贈られてくる。
特に何をしたと云う程のことはないので申し訳なく思うのだが・・・

親戚の胆嚢癌再発・肝転移はGC療法(ゲムシタビン+CDDP)30クールを終えた。
肝転移は小さくなっている。
一般的にGC療法は6クールぐらいで副作用が酷く出るか、効果が無くなるので中止となることが多いのだが、副作用はほぼ無い。
しかも、休薬期間が長いほど腫瘍マーカーは下がるのだ。
あと少しでマーカーは正常値に入る。
前回から基準量の20%減から30%減となったから寛解は近いだろう。
余命半年から4年が経過した。

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