涙そうそう
1週間ほど前から急に「涙そうそう」と云う曲名が頭にこびり付いたように出てきた。
youtubeで聞いてみた。
「涙そうそう」は沖縄の言葉で「涙がぽろぽろこぼれ落ちる」という意味で、森山良子が若くして亡くなった兄を思って作詞した曲であることも知っているが、初めて「涙そうそう」を教えてくれた方は再発乳癌の患者さんだった。
2003年12月31日に届いたメールの一部を記します。
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人は 年を重ねると 心が乾いて痩せてしまう のだそうです
冨田さんは ☆いつまでも心の痩せない人☆ かもしれません
”涙そうそう” (ご存知ですよね) を 冨田 さんへ
ー 古いアルバムめくり ありがとうってつぶやいた
いつもいつも胸の中 励ましてくれる人よ
晴れ渡る日も 雨の日も 浮かぶあの笑顔
想い出遠くあせても
おもかげ探して よみがえる日は 涙そうそう ー
わたしは こころが痩せそうな時 音楽を聴きます
”島歌”や”涙そうそう” を聴くと 胸がいっぱいになってしまう・・・
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患者さんのメールは患者名のホルダーが付けられて、そこに入っているから簡単に見つかるようにしてある。
今日、そのホルダーから「お知らせ」の件名メールを読んだ。
娘さんから彼女が亡くなったと云う知らせのメールだった。
奇しくも、14年前の9月28日・・・今日が命日だった!
天国からのお知らせだったのだろうか?
「もう、忘れちゃったでしょう?」
いやいや、忘れていませんよ!
彼女は術後のアジュバントで骨髄を弱らせてしまった方だった。
その時点で知り合っていたら、骨髄を弱らせることも無く再発すらしなかったかもしれない。
とにかく単球の%が2~3%と低いのだが、5%を越えると腫瘍マーカーが急激に下がる珍しいタイプだった。
術後の再発予防の抗癌剤治療を「アジュバント」と云うのだが、これで骨髄機能を弱らせてしまう患者さんを多く見てきた。
抗癌剤治療は悪いわけでは無いが、その人の体質に合ったレジメンが出来ないものだろうか。
「抗癌剤は辛いと思ったら、絶対に頑張ってはいけない。」としか言いようも無いのだが・・・