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癌の情報

がんの原因と対処法がよくわかる本

がんの原因と対処法がよくわかる本本書は腫瘍免疫学を執筆した元大阪大学医学部助教授(当時は大学院助教授)藤原大美(ふじわらひろみ)氏が書かれたものだったので購入した。
藤原氏は内科医として大学病院勤務時に抗癌剤の無力さを嘆き免疫研究に没頭されたそうだ。その時代に癌と免疫の研究は医者としての地位を失うとまで言われた免疫暗黒時代だったようだ。
今でこそ免疫で癌が治せる可能性を見出したが、それでも完璧な薬剤は出ていない。

出版元が現代書林であることが気になったが、やはり免疫の研究者でありながら内科医として診療所の所長をされ、しかも、がん患者になった心境まで記されている。
素人向けの書籍だが実は難しい内容を分かりやすく記述されていて、忘れていた事も思い出させてくれる本だった。

腫瘍免疫学第2版第1版の腫瘍免疫学は1ページ読んだだけで眠れてしまう睡眠薬代わりの本だったが、それを読み進めているうちに理解出来るようになり、第2版は眠るのを惜しむほど面白く読み進めることが出来た。
残念な事に第1版も第2版も絶版となり入手困難だと思われたが、Amazonの古本屋さんが新品を持っており、再度購入が出来た。

腫瘍免疫学の様な専門書は一般の方には理解しがたいと思うが、今回の「がんの原因と対処法がよくわかる本」はお薦め出来るレベルと内容になっている。
本邦の免疫学は世界的に有名な研究者も多いが、研究者は研究が目的となって癌治療までの事は考えていないように思われるが、臨床医から免疫の研究者になられ、更にがん患者となった現役医師の書籍は滅多に無いと思う。
ぜひ、一読されたい。

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