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病院選び

病院「どこの病院が良いですか?」と質問を受けることが多い。

その答えに対して大事な要点を記しておこう。

●疾病の種類により病院選びは違う
専門性の高い疾病の場合ではがんセンターや大学病院、専門病院でないと治せないことが多い。
だが、大病院は患者数が多く待ち時間や手術までの待ち期間が長い。

●命にかかわる疾病の場合は病院を選ぶよりも医師を選ぶべき
大学病院だから大病院だからと病床数の大きなところが必ずしも良い病院では無い。
自分の疾患に関して経験数の多い医師が居る病院を探すこと。

●治療に際しての機器が必要ならそれを持ち合わせる病院の中から治療経験が多い医師が居る病院を選ぶ
脳腫瘍にはガンマナイフ、サイバーナイフを持っている病院を選ぶ。放射線治療が必要なら、それを持ち合わせる病院を選ぶ。

●「100%治ります」「僕が治してあげます」と大風呂敷を広げる医者は基本的にダメ。
むしろ、口数の少ない医者に名医が多い(例外も多々あるが)
「私、失敗しないんだから」と言えるのはドラマの世界だけ。医療の世界では100%は無く「95%」が最大値と思え。

●質問を拒否する医者はダメ
時間に追われているとはいえ説明責任はあるはず。必要な答えを云わない医師は駄目だが、質問攻めも駄目。

●素人の評価は当てにならない
近くの病院の評価は厳しいもの。治る見込みの無い患者を受け入れる病院ほど葬儀社の出入りは多くなる。
「〇〇病院に行ったから駄目だった」と素人評価は当てにならない。助からない状態の方は何処に行っても助からないものだ。
国立がんセンターでは治らない患者を「ここは看取りの病院ではありません。」と治らない患者は受けないか、入院していても追い出しをする。

●検査結果を出し渋る病院はダメ
赤尾先生曰く「検査代は病院が出してるんじゃ無くて患者さんが払ってるんだから、検査結果は患者さんのもの」と採血では100%貰える。
藤村病院では患者希望の場合は有料だがCTも貰える。

●セカンドオピニオンを拒否する医師はダメ
「他の先生のご意見も聞きたければ紹介状書きますよ」と言える医師はおおよそ優秀な医者だ。

赤尾先生にお願いして上尾の藤村病院で手術された患者さんが、知人から「上尾まで行くんだったら、どうしてがんセンターにしなかったの」と聞かれることが多いと言われる。
「もし、がんセンターにしてたら今みたいに元気で居られる保証は無かったと思いますよ」と私
術前検査の後、赤尾先生から「オペしないわけにはイカナイから〇〇さんの手術は縮小手術にします。」と言われた時に一瞬驚いてしまった。
「えっ、縮小ですか・・」
「心臓の負担を考えるとオペ時間は短くしないとダメだから、リンパ節郭清は無しにします。抗癌剤も無しです。」

リンパ節郭清は予後に影響しないと次第に云われてきたが斬新な考えだと思った。
乳癌や胃癌ではセンチネルリンパ節生検を取り入れ、無駄にリンパ節廓清をしないようになってきた。
しかし、センチネルリンパに癌細胞が出れば全て郭清するのが常道となっている。
これは”癌は残らずに取る”と云う考えとしては妥当だと思うが、リンパ節に転移していてもそこは免疫の砦だから心配ないと思える。
むしろ、リンパ節を通過してしまって見えない転移の方が心配だろう。

どこでも近くの病院をよく言われない。
本当にヤブなのかは素人の意見は当てにならないものだ。
末期食道癌の川西さんは順天堂練馬病院から藤村病院に転院させてもらうことが出来た。
転院してからの状態はすこぶる良かった。「こんなに調子が良いときが一番危な無いんだ」と奥様に言われた夜に旅だった。
治る見込みの無い患者を受け入れてくれた藤村院長は凄いと思った。
診察時に藤村院長に「胃瘻・腸瘻は無理ですか?」と聞いたときに凄い形相で「内視鏡が入らない」と一言だけ。
聞く方が野暮だった質問だったが、あの怖い顔は真剣さを表しているのだと思った。
「治らない患者を受け入れているのだから、出来る限りの事は遣る」との表れだろう。

家内の姉が藤村病院で内視鏡的胆嚢摘出術を受けたことがある。
庭石のようなデカイ胆石が十数個も入った胆嚢をどうやって取り出したのか疑問に思えて、赤尾先生に聞いてみた。
「藤村君頑張ったよ!」の一言。
どうも名医は言葉少なだ(笑)

病床数も少なくお世辞にも綺麗な病院とは言えないが、近所の素人が何と言おうと、この病院は悪くは無い!

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