トップドラッグ

免疫専門のクスリ屋


免疫専門のクスリ屋

癌の情報

前立腺癌

出典:IPA「教育用画像素材集サイト」 https://www2.edu.ipa.go.jp/
出典:IPA「教育用画像素材集サイト」 https://www2.edu.ipa.go.jp/

男性は高齢になると前立腺のトラブルが多発する。
男性ホルモンであるテストステロンがジヒドロテストステロンになると前立腺肥大となり、尿の出が悪くなる。
さらに前立腺癌も加齢とともに罹患率は上がる。

知人である同業者が少し前に前立腺癌と診断された。
TNM分類はT3aN0M0 グリソンスコアは7 PSAは30 NCCNリスクは高リスクに分類された。

T3aであるから前立腺に限局しておらず被膜の外に癌が広がっていると云うことだ。
(T3bなら精嚢腺に浸潤していることを指す)
N0は画像上で所属リンパ節に転移しているように見えない(所属リンパ節が大きくなっていない)というだけで、実際はリンパ節生検をしないと分からない。
M0は画像上で遠隔転移が見られないと云うことであるが、これも実際は分からない。

CTやMRIの体外画像診断は便利になったが必ずしも正確で有るとは云えない。
骨シンチも微小な骨転移は見つからないものだ。

手術選択になること思いきや、主治医の考えでホルモン療法となった。
ホルモン療法は6ヶ月~1年程度で効果が無くなると云われている。そこで、無効になった時点で放射線療法に変更する予定のようだ。

私が経験している症例でBRMstageとホルモン療法を併用した例では5年後の再発は1例も見られない。
たぶん、本症例も同じ経過を辿ると思うが、5年後まで待たないと分からない。

癌とは患者にとっても、担当医にとっても、管理している我々にとっても長くの時間を見ていかなければならないものだ。

はたして、5年後に自分は生きているのだろうか?
生きていたとしても、ただのボケ老人になっているのではないか・・
無責任のようだが、ボケて何もかも忘れてしまうのは幸せかもしれない。

因みに、この同業者のKさんから頻繁に電話が掛かってくる。
今日は既に3回有った。
色々と不安が多いのだろう。
そこに女房の一言
「相談できるところが有って良かったわよね。医者じゃ、いちいち答えてくれること無いから・・」
たしかに、そうかも知れない。
私自身は相談事に慣れっこになっているから気がつかなかった。
女の感性は凄いと思った(笑)

TOPへ