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免疫について

全身性エリテマトーデス(SLE:systemic lupus erythematosus)

チョウチョが羽を広げたような蝶形紅斑で有名なこの疾患は指定難病となっていて、診断が付いている方が6万人、診断を受けていない方を含めるとその倍の12万人はいると云われている。
その罹患数は膵臓癌患者(3万人)の4倍、乳癌の1.6倍で癌よりもよりポピュラーな疾患のようにも思えるが根治療法は存在しない。
20~40代の女性に多く結婚前や育児の最中の発症は悲しむべきものがある。

知人より第2子出産後にSLEと診断された女性が紹介で見えられた。
SLEの診断基準は厚生労働省から出ている(下記はその中からの抜粋)そのうち4個以上が当てはまれば該当する。
① 顔面紅斑
② 円板状皮疹
③ 光線過敏症
④ 口腔内潰瘍 (無痛性で口腔あるいは鼻咽腔に出現)
⑤ 関節炎(2関節以上で非破壊性)
⑥ 漿膜炎 (胸膜炎あるいは心膜炎)
⑦ 腎病変 (0.5g/日以上の持続的蛋白尿か細胞性円柱の出現)
⑧ 神経学的病変 (痙攣発作あるいは精神障害)
⑨ 血液学的異常(溶血性貧血又は4,000/mm3以下の白血球減少又は1,500/mm3以下のリンパ球減少又は10万/mm3以下の血小板減少)
⑩ 免疫学的異常(抗2本鎖 DNA 抗体陽性、抗 Sm 抗体陽性又は抗リン脂質抗体陽性(抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラント、梅毒反応偽陽性)
⑪ 抗核抗体陽性

しかし、紹介患者は抗核抗体の異常しか当てはまらなかった。
強いて云えば補体価が基準値より少し低かったことぐらいだ。
それなのにステロイド治療が始まっていた。

試しにステロイドと云う考え方も有りかもしれないが、ステロイドで治るわけではなく早期に使用するものとは考えられない。
訴えている症状は朝の手のこわばりと頻度が高い低血糖だった。
抗核抗体の一部に基準値の8倍の数値があるので何らかの自己免疫疾患は考えられるが、SLEに低血糖は起きない。

私は甲状腺機能低下症が評価する採血検査が無いことで判断は保留したが、それとインスリノーマを疑った。
血糖を上げるホルモンは数種有るが下げるのはインスリンだけ。
インスリンの過剰分泌はインスリン産生腫瘍で起きることが多いからだ。

日本人では自然発生的(薬剤の使用でおきるものを除く)とインスリノーマが一番多く、次に膵外腫瘍、3番目にインスリン自己免疫症候群となる。
赤尾先生の膵臓エコーは絵に描いたような素晴らしい画像描出ができるのでお願いすることにした。
それと甲状腺機能検査もお願いした。

自己免疫疾患は症状に個人差もあり、また検査数値だけで判断できないものだ。
診断名の確定ができるのは先のことになるだろう。

診断名の確定を待たずに症状の緩和があるかどうかの治験を始めた。
使用するのはかつて多発性硬化症患者が3ヶ月で改善した処方の改良版であるBRMstage μ2である。
2回の使用で翌朝の手のこわばりは無かったと聞く。

この様な症状は数日良くなって、また少し症状が出て、また良くなってと一直線で良くなることはない。
これからどう変化するのだろうか?

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