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免疫について

術後腸管癒着症

お腹の手術は肝臓の手術を除けば正中切開(腹筋の間を縦に切る)が基本だ。
しかし、どんなに注意を払って手術をしても消化器外科の手術で60%の方にこの腸管癒着が起きてしまうそうだ。
2度の帝王切開と2度の大腸癌摘出手術(合計4回目)で術後腸管癒着症が出てしまったお客様がいる。
嘔吐と腹部膨満感、便秘、食欲不振が暫く続いたので入院加療としたが、退院後早くに同じ症状が出てしまった。
腸管癒着は傷を治そうとする自然治癒力が災いしているのは事実だが、食生活や運動、そして精神的な問題も秘めている。
「しばらくすれば治るわよね?」と質問されるが答えに窮する。
「基本的には一生治らないと考えてください。剥離手術もありますが、剥離手術が更に癒着を生むという悪循環になってしまう事も十分にあり得ますので、あまりお薦めできません。
とにかく、便秘しないようにすることが一番です。消化に良い食品を良く噛んで食べてください。それと、治るとか治らないとかを気にする事も駄目です。癒着症を受け入れて付き合って行く覚悟が必要なんです」
こんな残酷な言葉を発しなくてはならないのは実に辛いものだ。
「大丈夫、大丈夫、そのうち治るから」と明るく言ってあげたいのはやまやまだが、曖昧な言葉で期待させ、それを裏切る現実に向き合わせる方がもっと酷だと思うから、事実を告げるしか無い。
術後腸管癒着症で新たな知見がでたそうだ。
兵庫医科大学免疫学講座

なんと、そこにはTh1細胞やNKT細胞が出すγ-インターフェロンが原因だと記されている。
しかし、予防法は確立しても既に起きてしまった癒着が治るわけでは無い。

だが、しかし、最初は2週間の間隔だったものが、次第に間隔が長くなり、2ヶ月半も症状は出ていない。しかも、何でも食べている。
「もう、治っちゃったのかしら?」と言われるが、「そうだ」とは言えない。
数々の奇蹟を見聞きしてきた。
この方にも奇蹟が起きて欲しい・・そう願わずにはいられない。

医療者としてあるまじき考え方だが、奇蹟は困難を素直に受け入れた人に起きるような気がする。
他人を恨んだり、何とかしたいと思うこともなく、ただ現実を受け入れる人にしか起きないように思う。

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