新型コロナウイルスの免疫排除機構
新型コロナウイルスでは抗体産生が遅れる特徴がある。
罹患患者の免疫グロブリンの変化も見ていないので、あくまで推測の域を出ないことを初めに申し上げておく。
B細胞が抗体産生細胞に成るためにはT細胞の共刺激が必要とされているが、その中でもCD40が重要とされている。
また、スーパー抗原反応性T細胞は自己免疫を引き起こすT細胞だが、B細胞の関与なしに自己免疫は発症しない。
ここにもCD40が関係してくる。
このウイルスがCD40Lに結合するとCD40存在下であっても、B細胞は抗体産生細胞になれず、その為に抗体が作れないのでは無いだろうか。
スーパー抗原反応T細胞が駆逐され、CD40L結合されたB細胞も駆除された後に、
新たなB細胞に依って抗体が産生されるまでの時間が掛かるとしたら、新型コロナウイルスの治癒期間が長いことにも合点が行くと思われる。
自然治癒される期間の差は、当然に症状の差が出てくる。
無症状患者と肺炎を呈する患者では治癒期間の差が出てこよう。
後天性免疫不全症候群がT細胞を変異させるように、この新型コロナウイルスはB細胞を変異させ、抗体産生を阻害しているように思えてならない。