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免疫について

新型コロナウイルス ファクターX

日本の中途半端な対策でも死者数や死亡率が低いことが世界で「ミラクル」と云われているそうだ。
これは日本に限ったことでは無く、アジア圏でも北欧でも同様な現象が起きているのだ。
その要因を山中教授は「ファクターX」と呼んでいる。

元々、アジア圏は握手はしても抱擁やキスの文化は無いので、患者数は予防の有無で変わってしまう。
問題は肺炎になって重篤化するか、しないかの違いに何らかの要素があるかなのだ。

先ずは、「ファクターX 」から除外しなければならないものを挙げて行こう。

◎ 血液型
血液型はABO式以外に多数あるが、ABOでは差異が無いようだ。
移植で問題となる白血球のHLA型だが、ほぼ調べることが無いので「不明」
今のところ、COVID-19の患者のHLAを調べたと云う論文は見当たらない。

◎ アジア系民族
米国は多民族国家だが、アジア系や黒人だからの差は無いそうだ。

◎北欧諸国も死者数や死亡率はスウェーデンを除くと極めて少ない。
スウェーデンの感染者数と死者数は高齢者施設でのクラスター発生が多かった事と、80歳を超える患者の治療がなされなかったことが原因だそうだ。

少ない情報の中で想像すると、北欧はヨーグルトなどの発酵食品、アジア系も発酵食品の宝庫だ。
パンやピザも発酵食品では有るが、加熱して酵母菌や酵素が死滅している。
アジア圏は植物や魚の発酵した食品が多く、日本人の食生活でも納豆や味噌は普通に食しているが、納豆は地域差があり、味噌汁を飲まない世代も増えて来ているが、アジア系民族は西欧諸国よりもアルコール発酵以外の植物発酵食品を多く摂っている。
また、北欧はヨーグルトなどで乳酸菌を多く摂っている。

しかし、症状が一番重かった治験患者のC氏に食生活で納豆やヨーグルトを食べるかと質問したところ「メッチャ好きです」と返答があった。
N=1では判断出来ないし、摂取量も個人差があるので一概に判断はできなさそうだ。

新型コロナウイルスは他のウイルス性疾患と違ってリンパ球を減少させる特徴がある。
その減少がT細胞なのかB細胞なのかは不明だが、5%程度しか存在しないB細胞が全部死滅したとしてもリンパ球の減少幅は大きすぎる。
また、新型コロナウイルスはそのDNAの中にHIVのDNAを持っていることから、T細胞を標的とした何かが有るのだろう。
その謎は不明だが、特徴的な間質性肺炎まで移行する有無は、腸管免疫が関与している可能性はありそうだ。

乳酸菌や発酵食品を摂取していて腸内フローラが安定していれば、重篤化が防げるかもしれない。
あくまで仮説の域を出ない話だが、特定の乳酸菌や酵母があるのかもしれないが、そのうちに謎は解明されるだろう。

私は毎朝、非加熱のヨーグルトに乳酸菌製剤を摂っているが、腹の調子がすこぶる良いとは言えないが悪くも無い。
まだ、何か不足しているものが有るのだろうが、思い当たるのは食物繊維が少ないことぐらいだ。

本来は草食であるアジア系民族も食生活は変化し、食物線維が少ない人も増えて来た。
「ファクターX」は腸内環境に有るように思う。

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