トップドラッグ

免疫専門のクスリ屋


免疫専門のクスリ屋

サプリメント

血圧はどこまで下げるべきか?

以前に赤尾先生(あかお医院 院長)から「冨田君、血圧はどうして下げないと駄目なんだろう?」と質問された。
私はその問いに困惑してしまった。
元・獨協医科大学外科教授、医学博士、消化器外科学会専門医、日本乳癌学会乳腺専門医、しかも東京大学卒の大先生からの突飛な質問だ。

その真意が謀りかねて、私は「心血管イベントを減らす為では」と教科書的な答えを言ってしまった。
そして、赤尾先生は「そうか」と一言だけ云われて、後の言葉は続かなかった。

あの時に赤尾先生はどんな言葉を期待したのだろうか、未だに分からないのだが、或る時の雑談で「血圧が下がるとバイタリティが無くなるんだよ」と言われたことが有る。

その話は事実だと思う。80代後半の難治性高血圧の女性が160を越えていた血圧が150を切ると「かったるい、何もやる気がしなくなる」と云っていたし、私自身も140あった血圧が120前後になるとバイタリティが無くなったように感じることが多い。

血圧は日内変動するのが普通であり、腎性高血圧でなければ起床時の血圧は低く、それから緩徐に上昇して、昼食後に少し下がり、また上昇し就寝前
がピークとなるのが一般的な日内変動のパターンだが、高血圧患者では当てはまるとは限らない。
元々、血圧は自律神経支配で興奮したりすると上がるのが普通だ。
人類の祖先達は狩りの時や逆に恐竜に襲われた時には血圧が高くなっていただろうと思うが、低血圧だと俊敏に動くことはままならず肉食恐竜に食われてしまったかもしれない。

国立循環器病研究センターのサイトを見ると高血圧患者の血圧を安定させると脳卒中での死亡が36%下がり、虚血性心疾患の死亡が25%下がるそうだ。
だが、どちらの疾患も動脈硬化が原因であり、血圧を下げただけではコントロールされているとは言えない。
また75歳以上の日本人では収縮期血圧が120~159までは死亡率に大きな差異は無いようだ。
と云うことはピークを160以下に血圧をコントロールしておけば良いともとれる。

動脈硬化を予防するにはビタミンCと良質なタンパク質の摂取が必要だ。
ビタミンCはコラーゲンの合成に欠かせない!
それに血管壁を新生するエラスチンを加えるのも良いだろう。

因みに食塩制限をしても血圧が下がる方は20%だそうだ。
食塩の過剰摂取は良くないが、減塩しても血圧が下がるとも言えない。
すべてはホドホドがちょうど良いのだろう。

はたして赤尾先生の求めていた答えは・・・
「収縮期血圧は160以下にコントロールして、それよりも動脈硬化を予防・治療すべきです」だったのだろうか。

TOPへ