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免疫について

新型コロナウイルス肺炎で見えてきたもの

新型コロナウイルス肺炎で吸入ステロイドや抗マラリア薬が肺炎症状に効いた例が報告されてきた。
その為に、喘息治療薬のオルベスコ(シクレソニド)の在庫が無くなった等の報告も出ている。
また、抗マラリア薬のプラケニルはSLE患者の皮膚障害を治す薬でもある。

この2つの薬剤に共通する点は「自己免疫疾患の抑制」に他ならない。

ウイルス感染にステロイドは禁忌であり、WHOも新型コロナウイルスにステロイドの使用は否定的で有った。
神奈川県立足柄上病院がシクレソニドを使用した経緯は、国立感染症研究所村山庁舎のコロナウイルス研究室から紹介された事が切っ掛けだった。この実験はin vitro(シャーレ上での実験)であり、動物実験の成果では無かったようだ。

研究者の常識として、in vitroの成果はマウスで起き得る可能性は1%、更にマウスで起き得た成果はヒトでの可能性は1%だと。
即ち、in vitroでの成果はヒトでの可能性は10,000万分の1にしか過ぎない。

たまたま、10,000分の1の確率で当たることもあり得よう。宝くじを初めて買った人が当たることも有るのだから。
しかし、常識的に考えて、ステロイドに抗ウイルス効果はあり得ない。
有るとすれば、ウイルスの増殖を抑制する別の要素かもしれない。
例えば、PH値が変わるためもあり得よう。

その後にシクレソニドの使用例が発表されないので、効果が有るのかは不明のままだ。
臨床医は患者の治療に追われていて、発表の資料作りの時間も無いだろうから、結論を急ぐには早急であろう。

現在、BRMstageで治験を行っている肺炎を呈する患者2名と足柄上病院の発表の3名の患者に共通する点は初期状態では白血球が少なく、リンパ球数が少ないこと、CRPの上昇が軽度、血小板が少ない点である。
他のウイルス感染ではCRPの上昇は軽度でも白血球は上がるのだが、この新型コロナウイルス肺炎では白血球が上がらないのだ。
これらは、他の報告とも合致する。

ここからは、推測の域を出ないが、このウイルスによる肺炎は、B細胞に何らかの影響を与え自己免疫性の肺炎、即ち間質性肺炎を引き起こすのだと考えられる。
しかし、肺炎事態が進行すると肺胞にまでに及ぶのではないだろうか。

そこまで進展すると、自発呼吸だけでは酸素が取り込まれずにECMOに依る強制的なガス交換が必要になるだろう。
国内のECMOの数は300台だそうだ。ECMO離脱が半数程度あるようだが、急激な需要には追いつけない。
間質性肺炎レベルで食い止める必要があろう。

BRMstageは自己免疫疾患にも効果が出ているので、この肺炎にも可能性が有ると思われる。
現に、2名の肺炎が確認された治験患者では肺炎は改善されている。

副作用の問題は有るかもしれないが、医療的な治療としてはアビガン+シクレソニドが期待できると思われる。

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