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癌の情報

手術拒否の理由

乳癌のTさんとは病院で良く出会う。
彼女が乳癌で有ること、そしてBRMstageを使用していることだけは知っているが、私のお客様ではないので詳しいことは知らない。
或る時、赤尾先生から「Tさんはどうして手術を拒否するのだろうか?」と聞かれたことがあった。
「そうなんですか、それじゃ聞いてみますよ」と私。
再びTさんと病院で出会った時にズバリ聞いてみた。
するとTさんは「私、温泉が好きなんです」と話を始めた。
手術の話がどうして温泉??頭の中に??がひしめく。
「手術したら温泉に入れなくなってしまうんでしょう」
またまた、??が頭の中で炸裂するが、「どうしてですか?」とだけ問うことだけは出来た。
「昔、温泉で見たんですよ。乳癌の手術で骨が見えていた人。あんな風になったら温泉に入るの他の人に悪いですよね」
骨が出てしまう手術・・・なるほどTさんはハルステッド手術をした人を見たのだった。
ハルステッド手術とはかつては乳癌の標準手術で大胸筋まで取ってしまう手術のことで、その為に術後は肋骨が浮き出てしまうのだ。
思わず私は笑ってしまった。
Tさんはたぶん戸惑っていただろう。
「Tさんが見たのはハルステッドという大胸筋まで取る手術をした患者さんだったんですね。でも、今時、ハルステッド手術は滅多にしませんよ。第一、Tさんの場合は温存手術出来ますし、赤尾先生の手術は殆ど傷跡が分からなほど上手なんですよ」
「それじゃ、温泉は入れるんですね」と喜ぶTさん。
その日、「手術します」と意志を赤尾先生に告げたTさんだった。
なんでも話せる雰囲気の赤尾先生にも聞くのが怖かったのだろう。
その時、患者と医師の仲介役が必要なんだとつくづく思った。
その為には十分な医療知識が必要なのでNPOを作ったのだが、8年間の活動でどれだけ出来たのかは不明だ。

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